原資料からのデジタル化は従来のマイクロフィルムからのデジタル化と異なり、原資料を直接スキャニングするため、より資料に忠実に再現することができる。つまりは、フィルムからのデジタル化に比べ、スキャニング技術が画像品質に大きく影響することになる。一方、大量処理を考慮するとスキャンスピードが重要な要素となる。全工程の中で最も時間を要するため、ボトルネックにならないよう厚くしなければならない工程ではあるが、スキャナ台数と投資コストのバランスを鑑みるとスキャナの生産性を重視せざるを得ない。スキャナの選定がこの事業の成否を大きく左右する。
当初からスキャンスピードが速いデジタルカメラタイプに注目していたが、反面、デジタルカメラタイプはCCD特有の偽色、モアレの発生が懸案でもあった。複数のメーカーでテストした結果、株式会社マイクロテック社製のブックスキャナ「BookShotPro3300」が採用に至った。
導入観点は、品質、生産性、耐久性の3点と、スキャナそのものの調達能力とした。画像品質において偽色、モアレは完全解消できるものではいが、マイクロテックの技術者と当社の技術部門、製版部門とでカラーバランス、シャープネスなどのスキャニング設定の調整、テストを繰り返し、結果、当社が日常的に印刷物を生産するスキャニング品質と同等の画像品質を得ることができた。
|